【バス運転手の夏休み買取】横浜市が苦肉の策

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横浜市営バスの運転手に対し夏休みを1日1万円で買い取る事を市議がXでポストして波紋が広がっています。

【バス運転手の夏休み買取】違法性は?ある、ない

横浜市営バスの運転手に対して夏休みを一日一万円で買い取ると交通局の人事課が通知をした事で波紋がひろがっていますが、この事は違法性は無いのでしょうか?

この通知では人手不足が深刻なことを理由に希望者を募っていますが、違法ではないのか?との声も上がっているそうで、その事について交通局は「有給休暇ではなく、公務員の特別休暇の買い上げのため違法性は全くありません」と説明しています。

公務員の特別休暇とは?

一般的に企業が従業員に与える休暇のうち、法定休暇とは別に企業が任意で付与する休暇を特別休暇と言います。代表的なものとしては、病気休暇や慶弔休暇、裁判員休暇があります。これらと同じように国家公務員や地方公務員にも同じような特別休暇制度があります。

特別休暇

  • 病気休暇:病気休暇は疾病で治療を必要とする労働者に対して、療養のために付与する休暇を指します。入院のための長期休暇のほか、通院のため時間単位・半日単位で付与する休暇も含まれます。
  • 裁判員休暇:裁判員休暇は従業員が裁判員に選ばれた際に、必要な休暇を与える制度です。裁判員制度は無作為に選ばれた6名が裁判に参加し、被告人について罪の有無や重さ、科すべき処罰の内容の決定に関わる制度です。仕事を休まなければならないという心理的負担から裁判員の職務に支障が出ることを防ぐ目的で付与される休暇です。
  • ワクチン休暇:ワクチン休暇は新型コロナウイルス感染症の感染・重症化予防のためにワクチン接種を行う従業員に対して付与される休暇です。仕事が休めないためにワクチンを打てないということをなくす目的で付与されます。
  • 慶弔休暇:慶弔休暇は従業員や従業員家族に、慶事や弔事があった場合に付与する休暇です。慶事には結婚や出産、弔事には親族の死亡が挙げられます。慶事や弔事に必要な式典や行事に必要な休暇を与え、お祝いや慰労の意味合いも込めて休暇を付与します。
  • リフレッシュ休暇:リフレッシュ休暇は心身の疲労回復が必要な従業員に対して付与する休暇です。勤続期間が長くなると心身ともに疲労が溜まり、労働意欲の減退などが引き起こされ、生産性の低下につながる恐れがあります。節目に休暇を付与することで長期間にわたる勤務に区切りをつけ、リフレッシュする目的で与える休暇がリフレッシュ休暇です。
  • 夏期・冬期休暇:夏期・冬期休暇は、お盆や正月に合わせて付与する休暇です。8月15日や1月1日を中心に、従業員が連続して休暇を取得できるように付与します。

背景にあるのは「2024年問題」

通知の冒頭には、「時間外労働の上限規制」「改善基準告示の改正等の影響」により人手不足が深刻とあります。これはいわゆる「2024年問題」の影響と説明しています。2024年問題とは4月から施行された改正労働基準法の事でこれにより時間外労働時間が年間最大960時間に制限されます。この事により全国的に、減便や始発・終発時間の変更などの影響がでてきています。

横浜市交通局の話

横浜市交通局の人事課は今回の取材に対して以下の説明を行いました。

  • 特別休暇として夏季休暇がある
  • 一部職員は夏季休暇の代わりに代償支給を希望
  • 労働組合も合意

また、乗務員には民間の企業と同じように年間で20日間、有給休暇を付与しているそうで、こちらの有給休暇をすべて消化するには業務上難しく中には使い残す人がいるそうです。今回の特別休暇を出勤して改めて有給で夏休みを所得してくれればと言うとこです。OYAJIが気になるのは、特別休暇が1日一万円と報道されていますが、告知された文章をみると5日間出勤しないとお金は支給されないという事。さらには、特別休暇を買い取ってもらい仕事をした場合給与は支払われるのか?という事ですが、常識的には支払われるでしょうが、特別休暇については有給と違い法律に規定がないため給料を支払うかどうかは企業が決めることが出来るそうです。